Platinum Palladium Print
2024
日本の山岳伝承と手長足長の関係性は深い.山に住む巨人の姿として描かれることもあれば,山を拓いた証として高僧による手長足長の封印伝説があったりもする.茶道における遠山とは点茶道具の部分が遠くにある山の形に似ているものを指す言葉であり,茶壺や茶碗の景色の形容として用いられる.遠山の手長足長のモチーフは山梨で行われた落合陽一の展覧会(ヌルの共鳴:計算機自然における空性の相互接続)の際に自身の手長足長の彫刻をもとに生成AIによる手長足長のモチーフ画像を制作したものである.このモチーフは写真ではないが,遠山の森に佇む手長足長を思わせるビジュアルがあり,ここに新しい自然を感じ,考えうる表象を描き出している.彫刻からAIへの越境を経て再度プラチナプリントにて物質に定着させた.
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